【クリスマス短編-2009-】クリスマス∞ドール。
 
見たところ、松田さんはわたしのカード以外何も持っていない。

というか、松田ブランドの服を着たことがわたしにとってのプレゼントだったんだけど・・・・。

違うの?


と、考えていると───・・。


ちゅっとほっぺにキスをされる。


「・・・・受け取ってもらえました? 僕のクリスマスプレゼント」


唇を離した松田さんは、照れた顔をして頭をぽりぽり掻く。

・・・・む、無抵抗だからって!!

不意討ちすぎるよ、松田さんっ!


「ドールも僕も、あのクリスマスがなければ“今”の僕たちはなかった。ありがとう、ドール。この一年、あなたのおかげで本当に幸せでした」


ドールも幸せな1年だったらいいんですけど。

そう言うと、スタッフルームに戻っていく松田さん。

すると、ふと足を止め、またわたしの前に回り込む。


「言い忘れていました。メリークリスマス!それじゃあ!」


今度は走って戻る松田さん。

そして、数秒後にはバタン。

スタッフルームのドアが閉まり、松田さんの姿はその奥に消えた。
 

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