【クリスマス短編-2009-】クリスマス∞ドール。
だから松田さんは、わたしのほっぺにキスをしてくれたんだ。
ありがとう、本当に・・・・。
それからしばらくして、1年前と同じように雪が降りはじめ、ホワイトクリスマスになった。
仕事が長引いたのか、時間に遅れて来た大沢さんは、体中に雪化粧を施して店に駆け込んだ。
入り口で雪を落としながら、ふとわたしを見上げた大沢さん。
「あ・・・・!」
そう声を発すると、まだ半分も落ちていない雪を被ったまま、スタッフルームへ飛び込む。
すぐに戻ってきた大沢さん。
彼の後ろには、何事ですか? と言いたげな松田さんもいる。
「見てくださいよ、松田さんっ!ドールが!ドールが・・・・!」
「はっ?」
「いいから早く!」
「もう・・・・。何なんですか?」
強引に腕を引かれ、再びわたしの前に立たされた松田さん。
訝しげな表情で大沢さんとわたしを交互に見比べる。
すると───・・。
「あ!」
「ね? ドールが笑ってます」
「本当だ・・・・」