【クリスマス短編-2009-】クリスマス∞ドール。
ф ヤンキーサンタの贈り物 ф
◆
───バチッ、バチバチ、バチバチバチッ、ぽんっ!
「お前、最近めちゃくちゃ悩んでんだって?」
それは、クリスマスの1週間前のことだった。
僕が寝ていると枕元で突然花火のような音が鳴り、中から人が現れたんだ。
「あ、あ、わわわわ・・・・うわ──んぐぐっ・・・・!」
「うるせーなー」
もちろん僕は悲鳴を上げて助けを求めようとした。
けれど、それは寸前のところで止められ、代わりにそんな言葉が頭の上から降ってくる。
「お前、声でかすぎ!」
ポカッ。
そして、恐怖で動けない僕にそう言うと頭をグーで殴る。
「いいか? よーく聞けよ」
続けざま、そう言いながら人差し指をピンと突き立てる変な人。
その姿は格好こそ僕が知っている“サンタ”そのものだった。
けれど、どこからどう見てもヤンキーなのだ。
その凄味に押され、カクカクと頷くしかない僕。
それを見ると、ヤンキーサンタは満足気にニッと笑った。
・・・・どうやら僕には、初めから選択肢はなかったらしい。