【クリスマス短編-2009-】クリスマス∞ドール。
そんなお客さんが来た日は、わたしは決まって泣いた。
涙も出ないこの体がたまらなく嫌で、どうしてわたしはドールなんだろうって・・・・。
役目を終えたら処分されるだけのわたしに、どうして神様は心なんか与えたんだろうって・・・・。
考えれば考えるだけ、どうにも悲しくなって。
松田さんを想えば想うだけ、自分の運命を呪った。
そして、思う。
━━「たった1日だけでいいから人間になりたい・・・・」━━
そんなときだった。
あの人が現れたの。
━━『1日だけ、キミを人間の体にしてさしあげよう』━━
優しい鈴の音を響かせて空から舞い降りたのは───・・。
サンタクロース。