【クリスマス短編-2009-】クリスマス∞ドール。
 
「お前の悩み、俺がもらいに来てやったぞ。ありがたく思え!」


それから机にドカッと腰を下ろしそう決め台詞のヤンキーサンタ。

・・・・何なんだ、コイツ。





事の経緯はこう。


「サンタのジジイに“お前はサンタ見習いにすら値しないアホだ”って言われちまってよー」


カクカク。

とりあえずまた、頷いてみる僕。


「で、クビ。けどな、こちとら生活がかかってんだ、そう簡単に職を失うわけにはいかねー」


・・・・らしい。で。


「そこで俺は、1回だけチャンスをもらえねーかと交渉した。頭の緩いジジイだからな、誰かの悩みを取り除けたらまた見習いに戻してやってもいいんだとサ」


そう言い終わると、ヤンキーサンタは僕にツカツカ歩み寄る。


「それがお前、ってわけ」


そして僕の鼻をブニッと押した。


事情はだいたい飲み込めました、見習いもクビのサンタさん。

───と、怖いから心の中でだけ声を出す僕。

でも、なんで僕?

誰でもよかった匂いがプンプンするんですけど。
 

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