【クリスマス短編-2009-】クリスマス∞ドール。
 
「あの・・・・こんなところで何してるんですか?」


突然、背後から話しかけられた。

飛び退くくらい大げさなリアクションで振り向くと、そこには見覚えのある人の顔。


「ま、ま・・・・」


松田さん!?

なんでここに?

なんで? なんで? なんで?


「あはは。すみません、ほんと。びっくりさせすぎちゃったみたいですね」


金魚みたいに口をパクパクさせているわたしに、そう言って笑顔を向ける松田さん。

・・・・なんでいるの?


「眠れなくて外を見ていたら、ショップのほうの空がなんだか明るかったものですから。火事かと思って来てみたんです」


すると、わたしの心が分かったのか、そう言う松田さん。

続けて。


「あ、ちなみにココ、僕が働いている店なんです」


と、付け加えた。


「そ、そうだったんですか・・・・」


危なかった。

サンタさんがわたしのところへ来て何をしたか、松田さんは分からないみたい。

ホッとため息が出た。


「はい。で、あなたは?」
 

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