野球少年と彼女と私
「向井先輩!彼女さん‥‥‥‥‥っすよね??初めまして!」
クラスメートのちょっと不良臭い男子達が向井先輩に群がる。
向井先輩の腕の中には、ちょっと派手めな女の先輩がいた。
向井先輩に肩を抱かれ、照れ臭そうに笑う派手めな女の先輩は彼女さんらしい。
「――‥彼女いたんだねえ‥」
ポツンと独り言のように呟いた私の声は自棄に教室に響いたように感じた。
気付けば辺りは静かになっていて、
さっきまでの黄色い悲鳴が嘘のようだった。
私と同様、女子皆はポカンとしていた。
あいも派手な彼女さんを疑視ていた。