野球少年と彼女と私
普通なら向井先輩に顔をジッと見応えられて
恐怖に思うだろう。

眉毛を片方少し上げ、そのカッコイイ顔で睨みを効かせるから‥、


きっと 普通なら身動きすら忘れるんだろう。


けど、今はショクで心がいっぱいで
ショクで頭がいっぱいで


――――誰だ? てめえ―――



だって‥。


私―――‥‥ばっかり
一人で会いたい会いたい思ってただけで‥


それは、そうだけど!
ちょっとくらい覚えててくれてるかと思ってて‥!

私、一人で舞い上がって‥、ちょっとでも会うのが恥ずかしいって思った自分が恥ずかしい。

会ったって、なんも恥ずかしい事ないのにね、だって向井先輩は私の事名前も存在も知らないんだから‥。
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