野球少年と彼女と私

/どうして

あの恐怖体験を味わってから、時間は早く過ぎて行って、今日は夏休みが開けて、何時もと変わらない学校生活を送っていた私。

夏休み開けの初日は、ガタイのいい男が怖く思えたけど、今はちょっとマシになってきた。

あの恐怖を味わってしまって、今までみたいな楽しい生活が取り戻せるか不安だったけど、対した変わりもなく不安が少し和らいだ。

まだちょっと男は怖い。
だから、ならべく関わらないようにした。

そんな日を続けていたら、ある日"斎藤"と言うムカつく男が話しかけてきた。

その日も、あの日と同じく授業中いきなりムカつく言葉を私に被せる。

「お前やたらため息うざいんだけど。」

‥‥‥斎藤‥だっけ‥？
また、コイツだよ。
うざいのは斎藤だし！

「うん、ごめんね」

私は素っ気なく返事をして、窓の方を眺める。
もう会話は終わったようで、時計の針がﾁｸﾀｸと時を刻む音が聞こえる。

私のクラスって、本当数学の時間だけ静かなんだよね‥。

なんて思っていたら、
「なんかあったのか？」

と、隣から声がした。