野球少年と彼女と私
向井先輩の病室の前。
自棄に緊張する私の隣には‥何故か哲平がいる。
さっき、調度鉢合わせしたので病室を教えてもらった。
「よっ!コーウーキッ!」
「うるせー奴だな、病室だぞ此処は」
私は哲平の後ろに引っ付いた。
「気持ち悪いなあ〜、いくら俺がカッコイイからってそんな引っ付くなよ、ゆーかちゃん」
と、私を向井先輩の前に引っ張り出す。
「よぉ‥‥」
「こんにちは‥あの、先日は‥わた‥わたしのせいで‥すみ‥ません。」
私は、涙ながらに謝罪した。
向井先輩の傷はほとんど癒えてけど、明るいこの病室では向井先輩の大きい傷がハッキリ見える。
「お!ゆかちゃん、漫画あんじゃん!うぉー!こりゃ、変な漫画だ事!」
ひゃひゃひゃ、と笑う哲平が‥ちょっとうざく思えた。