ピンキーリング


「はいはいはい!沙耶菜と多喜ってどうゆう関係?」


関係って・・・友達でしょ?

「と・・・」
「沙耶菜は俺の充電器ー」


充電器って携帯の?


「なら多喜はあたしの携帯ー」


「それがどうゆう関係?」

「「こうゆう関係ー♪」」



多喜と初めて意見一致したかも
とか感動してると

静かに千湖が3組入ってきた



「千湖ー!」
あたしが大きな声で呼ぶと
千湖があたし達のところまで走ってきた



「沙耶菜・・・どうしよ・・・」

「えっ?」


「冗談でね、まじで冗談だよ?『あたしのこと恋愛対象で見てくださいよー』って言ったの」

「うん・・・」

「そしたらね『もう見てるし』って抱きしめられた」

「・・・えぇ?!」


それって塚城先輩が
千湖のこと
気になってるってことでしょ?

感動して何も言えないあたしの横で、多喜が話しかける

「千湖やったじゃん」

「うん!まじ多喜のおかげ!」

「で、撮ったの?」

「バッチリ!」


そう言って笑顔で待ち受けを多喜に見せる千湖


「アハハハッ銀先輩キメすぎ!」

「多喜のがまぬけすぎなんだってー」

「まぬけなとこが、あいつの可愛いとこじゃん?」

「だね!」


あたしと亮矢はまったく話に入れない


「亮矢ー何のことかわかる?」
「んー?まったく」



それから多喜と千湖は
あたしと亮矢の存在を忘れたかのように
予鈴が鳴るまで話し続けてた

その間、あたしと亮矢は
携帯のゲームを、指が痛くなるまでし続けてた
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