ピンキーリング

「全然話読めなーい」


「多喜の待ち受け多分・・・大村さんだったよ?」



「はっ?」



「見間違いじゃなければね」

「ないないなーい!あたし多喜に、写メられたことないもん」

「後ろ姿だったよ」

「なにそれ!変態じゃん!」

「知らない?今はやってる恋がかなう待ち受けって」



阿部君と岩崎君の話しによると

片思いしてる人の後ろ姿の写メを待ち受けにしてたら、恋がかなうってことらしい
で、一ヶ月記念までその待ち受けにしておくと、その恋はずっと続くらしい


多喜の待ち受けがあたしの後ろ姿?!
・・・ないない
たとえ待ち受けがそうだとしても、あの多喜があたしに片想いなんてありえないよ
あいつ、人いじめるの大好きだからね



「それおもしろがってしてると思うよー」

「そーかな?」

「うん!だから早く終わらせよっ?」

「「おう!」」



今日中に終わるのかな?ってくらい積まれたプリント

窓の外では、部活動生の声
野球部の方を見ると大きな口を開けて叫んでいる多喜がいた


「・・・何見てんだろっ」



『多喜の待ち受け多分・・・大村さんだったよ?』

『知らない?今はやってる恋がかなう待ち受けって』

『片思いしてる人の後ろ姿の写メを待ち受けにしてたら、恋がかなうらしいよ?』



ありえない
全部全部、ただの偶然
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