ピンキーリング

らしくない
あたしは自分の好きな人に気づかないほど鈍感じゃないもん


今までだって、好きになったらすぐにアタックして、両想いになれるように努力して、両想いになったらラブラブになって・・・


結局は続かないんだっけ




「沙耶菜ー?着いたよ♪」

「うん!」


ただ自分に正直に生きてればいーんだよね




「おせーよ、千湖と沙耶菜ちゃん!」

「ごめーん!」
「すいませーんっ」


「いーから早く座って食おうぜ!」



あたしはもちろんメンバー的に多喜の隣になるわけで


「・・・お邪魔します」

「はっ!?まじ沙耶菜うけるー」

「ちょっ・・・何でよー?」

「お邪魔しますって何だよー」


いつもの調子で笑い続ける多喜


やっぱ偶然だよね、あたしだけ何緊張してたんだろ・・・
ねぇ多喜?あたし達ってこれからもずっと友達だよね?
あたしが多喜の彼女になるなんて・・・無理だよね

恋に臆病な自分なんて、初めてでわからなかった


初めて知った恋のじれったさ
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