ピンキーリング
「バカ竜(たつ)!さっさと自分の部屋に帰れ!」

「邪魔もんは退散しまーす」

部屋に帰っていった竜君



「わりーな!あのバカ・・・」

「色気ないって・・・」

「あんなの気にすんな!今日着てたあのタンクとスカート似合ってたし!」



自意識過剰って言われてもいーよ
多喜も少しはあたしのこと・・・好きなのかな

待ち受けのこと、偶然なんかじゃないって・・・思ってもいーのかな




「多喜ー?」

「ん?」

「・・・多喜のね、後ろ姿ね、写メってもいい?」





男の人に抱きしめられたことなんて何回もあるのに
多喜に抱きしめられたら
心臓は壊れそうなくらいドキドキした


「そんな写メ、いらないって」



筋肉質で広い多喜の背中に手をまわしたら
多喜はあたしの頭を撫でてくれた


竜君の一言


『でもかなうんだなーあの待ち受け』


に救われたから
竜君にはすごく感謝するよ



「沙耶菜って多喜の彼女ー?」
「何当たり前なこと聞いてんだよっ」



彼女が彼氏を愛おしいって思うのは変かな?
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