ピンキーリング
「まじ沙耶あんがとー」
「どういたしましてっ♪」
一安心して職員室から教室に向かう
「明日朝、はえーけど大丈夫?」
「・・・んーと多分!多喜こそ大丈夫?」
「俺、野球で慣れてっから」
「そっかぁ」
「・・・お前っ」
「なっ何?」
多喜が急に立ち止まった
「名札は?」
「・・・ないー!」
「・・・ったく、どこやった?」
「わかんないー」
「自販機行く?」
「うん・・・ごめんね?」
返事の代わりに、多喜はあたしのホッペタをつねった
『野球部至急、職員室前集合』
野球部の監督の低い声が校内中に響きわたった
「まじかよ・・・」
「行っておいでっ」
「わりぃ・・・」
「頑張って探してくる!」
そう言って、あたしと多喜はわかれた