ピンキーリング

自販機に着いたものの、名札らしきものは落ちてない


『パンツ見えてるけど?』


後ろを振り返ると、一人の男子が立っていた


「誰ー?」

「・・・これ探してんの?」


あたしの質問には答えず、そいつは、名札をあたしの前でふらつかせた


「あっ拾ってくれたの?ありがとー」

「返すなんて言ってねーけど?

「えぇ?」

「付き合ってくれんなら返す」

「冗談やめてよっ!」


この人なんなわけ?
周りに誤解されたらどうしてくれんのよ・・・


「何・・・彼氏でも居るわけ?」

「・・・居るもんっ」

「・・・・・・・・・」


そんなに驚かなくてもいーじゃん
あたし、そんなに彼氏居ないように見えるのかな?
何かショックだし・・・


「だ、だから返してっ」

「・・・やだ」

「もーう!」


取り返そうとそいつに近づくと、腕を掴まれた

「返してー!!」

「やだ」



返そうとしないそいつにむかついて、あたしは教室にダッシュで戻った
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