gloom of the prince〜恋する研究室〜
「あぁ……、先輩。」


何て顔してんだ。

今まで見てきた中で一番ヒドイ顔。

女の子に対して言う言葉じゃないか。


「何?今日も機嫌悪いの?」


いや、この質問はイジワル過ぎたか?

若菜は、目に涙をいっぱい溜めて「先輩」を連呼している。

俺が悪いのか?

後輩をいじめるなってか?

でもここで謝ったら、絶対泣くよな、こいつ。


「何?」


俺の口から出てきたのはそれだけで。


「先輩、好きって何?」

「……はっ?」


今、何て言った?

好きって何?

そんなの、答えられるわけないだろ。

若菜とその友達は何かゴニョゴニョ謝って、俺をおいて歩き出した。

おいっ!

俺はどうすればいいんだ?
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