なでしこ
「「…………………………………」」

「なんだ貴様、口でも無くしたのか?」

「…相変わらず、口だけは達者だな、月代」

「ふんっ相変わらずなのはお前だろう?昨夜はどこの婦人といた?あぁ…失礼、昨夜だけではないか」

「…」

「私が知らぬと思ったか馬鹿者」

「…月代が俺と会わないからだろ」

「話す事がないからな」

「やっと会えたらコレだ」

「…あんなに髪、大事にしてたじゃねーか」

「もったいねーことすんな、馬鹿女」

「私の勝手だ」

「お前がヤキモチか…笑わせるな」

「私は気が向いたから切ったのだ!お前がいきなり文を送ってくるから…」

「…俺が嫌いか?」

「あぁ、私はお前が大嫌いだ」

「…その髪は?」

「お前が私を諦めるように願掛けだ」

「ははっ…そーか…叶ったか?」

「まだだな」

「さっきから一回も目が合わねー…お前、まさか高ノ宮を嘗めてる訳じゃねーよな?」

「そんな訳あるか!!」

「やっと目があった」

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