Shine―光をください―
急にそんな単語を聞いて「へ〜そうなんだあ〜」なんて余裕は生憎持ち合わせてなく、ただ俯いていた。
曲がった背骨のレントゲンを直視できなかった。


惨めに思えて、憐れに思えて。

「学校の検査では引っ掛からなかったの?」

「え?検査?」

「側彎の。最近は義務化になってるとかなってないとか。」

どっちですか。そう心の中でツッコミを入れたと同時に悔しかった。
中学校でその検査を受けれたら、もっと早い段階で、受診出来たかもしれない。コルセットだけで、手術はしなくてもよかったかもしれない。

頭の中がぐるぐる、淀んだ感情だけが覆われた。覚えた単語も、今はなに一つ出ず、絶望感だけがそこにあった。
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