Shine―光をください―
学校で側彎の検査も受けていない私がなぜ大学病院の整形外科を訪れたわけ。
それは、一ヶ月程前総合病院の内科を訪れたのがきっかけだった。

見事に風邪をこじらせた私は肺炎になっていないかレントゲンを撮るように医師から言われ、撮った。

そして、医師はレントゲン写真を見て、こう言った。

「肺炎の心配はないけど、背骨が曲がってるって医者に言われたことってある?」

「…え?ありませんけど、」

言ってる意味が、わからなかった。

背骨が曲がってる
それはおばあちゃんみたいに腰が前のめりに、姿勢が悪いって意味だと捉えた。

「…そう。もし痛みを感じたら病院行ってね。風邪薬あげるから、休んでね。今年受験でしょ?もう風邪ひかないように気をつけてください。」

「はい、ありがとうございます。」

私は一礼して診察室を後にした。
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