Shine―光をください―
父は昔から、不倫を重ねた。それは幾度ともなく。
私が初めてそのことを知ったのは幼稚園の頃。

もう、ずっと私は汚れた大人を見ていた。
浮気が発覚する度に、両親は怒鳴り合う。

食器の割れる音、父の罵声、母の悲鳴にも似た声。

苦痛で仕方なかった。
昔から離婚の話題が出ているのに別れない二人が、嫌いだった。

父は悪びれる様子など一切なく、私をその不倫相手とよく会わせて、買い物や食事をした。

それがどんなに腹立たしいか、父はわからないのだろうか。憎くて堪らない父。
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