ビタークリーム
じゃあ何でか好きになったって?
それは高校の入学式……
「いってきます」
私は名家の令嬢だけど、うちんちはわりとフリーだから普通に一人で登校する。
「いたっ」
張り切って走って、転んでしまった。
みると膝が擦りきれて、血がでている。
「う………」
痛くて歩けないほどだった。
その時……
「どうした?」
優しい声がして見上げる。
そこにはアッシュブラウンの髪にピンクのメッシュのどこからどうみても不良の人がいた。
涼くんだった。
怖かったけど、涼くんの服が里風高校の制服だと分かり、助けてもらっても安心できた。
「はい。終わり。痛くなったらまたきてね」
保険室で手当てしてもらって、入学式に向かった。
いつもより早く出てて良かった。
そう思った。
そのあと琉瑠ちゃんに友達だと聞いて、びっくりしたものだ。
それからは皆でよく一緒にいたので、最初はそれこそいっぱいいたファンの子の嫌がらせも次第になくなった。
私の想いも変わり始めていた。