この想いを君に… −あの場所へ−
真由には…

本当はとても可哀相な事をしたのかもしれない。



涙の跡が残る真由の頬をそっと撫でた。

一瞬、腕に痛みが走る。

力が入らなくなって真由の頬に掌を乗せたままになってしまった。

それでも真由は起きない。

…いや、寝たふりかも。

寝息が止まった。



俺が結婚しようと言わなければ、きっと同世代の人と結婚しただろうし、お店の事や生活で苦しい思いもしなくて良かったのかもしれない。

ましてや俺が死んだら…

子供達4人も抱えて、大変だ。

まあ、睦海は光の元へ行くだろうけど。

それでも苦労は絶えないに違いない。



「本当にごめん、真由」

俺は真由を抱きしめた。
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