この想いを君に… −あの場所へ−
あっという間に3月末になり、パパは検査入院をした。

やっぱり、かなり進んでいてこれから先は字を書く事も困難になるとの事だった。

そのうち、言葉もあまり発音出来なくなってくる。



「パパ!!」

春休み、あたしはお店の手伝いの合間にパパが入院している病院へ行った。

「睦海、来てくれたの?」

4人部屋の窓際にいたパパはあたしを見て嬉しそうに微笑んだ。

「少しお店も暇だから」

「そう…」

パパの顔色が以前よりも白くなった気がした。
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