この想いを君に… −あの場所へ−
パパは茫然と俺を見つめていたけど。

「行きたかったら行っていいよ?」

そう言ってパパは俺を抱きしめた。

…しばらくこんな事をされてなかったから、俺はビックリしたけど。

パパの体の温かさが心地良くてしばらく体をくっつけていた。

「…心配しなくても、そういうお金は貯めているから」

パパはそう言ってくれるけど。

「俺、お店で働きたい」

「えっ…?」

パパは俺の肩を抱きながら驚いた様子で俺を見つめている。

「そうすればずっとバイクの側で色々勉強出来る。
俺は学校の勉強は嫌いじゃないけど…俺にとって大切なのは一生付き合うだろうバイクの事だから」
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