この想いを君に… −あの場所へ−
「みんな…ここ数日で次々と進路の事を言うからさ〜、やっぱり三つ子だよね」

パパは笑って僕の頭を撫でた。

「えっ?」

パパを見上げると

「知樹も桜も進路の事でこの間から話にきてたよ。
泰樹も自分の可能性を信じて頑張れ」

そう言っていきなり僕を抱き上げた。

「まだまだ抱き上げれるな」

パパはでも、すぐに顔を歪めて僕を降ろした。

「…高い高いをしようと思ったんだけど」

明らかにパパの筋力が落ちている。

でも、それを指摘出来ない。

ショックを与えたくない。

「パパ!!」

僕は頬を膨らませて怒ってみた。

「まだまだ泰樹、軽くてかわいいよ」

パパは笑った。
< 165 / 417 >

この作品をシェア

pagetop