この想いを君に… −あの場所へ−
「ごめん、立ち上がろうとしたのに立てなかった」

パパは弱々しく笑う。

「…大丈夫、もし立てないと思ったらいつでも呼んで。
あたしが何とかするから!」

「うん…ありがとう」



「大丈夫か?」

物音を聞いて慌てて祥太郎達がピットから店内に入ってきた。

「うん、転倒しただけ」

「その転倒が危ないんだよ!」

祥太郎は怒った。

パパは何度も周りにごめん、と言う。

「車椅子、用意しよう。
店のレイアウトも変えて通りやすく…
今日、営業が終わったら残られる人でしよう」

祥太郎の言葉にみんなが頷いた。
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