この想いを君に… −あの場所へ−
「あー、ママ」

そこへむっちゃんが2階の部屋から降りてきた。

「また泣いてるし」

昔からむっちゃんは私が泣いてると茶化すように言う。

「俺が泣かしたの」

そーちゃんが言うとむっちゃんは信じられない顔をして

「ママ、パパに迷惑かけっぱなしだから仕返しされたんじゃない?」

私は思わず苦笑い。

確かに…ある意味そうかも。

「ママはいくら迷惑かけても迷惑じゃないんだよ」

そーちゃんがそんな事を言うからむっちゃんはニタニタ笑って

「パパは本当にママが好きなんだね〜」

と、言ってキッチンの冷蔵庫に向かって歩いていった。



ちらっとそーちゃんを見ると。

むっちゃんの言った事は満更でもないみたい。

穏やかに微笑んでいた。
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