この想いを君に… −あの場所へ−
「…私を置いていかないでよ、そーちゃんっ!」

拓海くんも…

そーちゃんも…



どうして私を置き去りにしようとするのよ!!



「…真由」

そーちゃんの淡々とした声が聞こえる。

「元々俺の方が10歳年上だから。
順番からすれば俺が先に逝くのは順当だよ」

あまりにもサラっと言うものだから頭に来て体をギュッ、と抱きしめた。

「…痛い」

うめき声のような声が聞こえたので私は慌てて手を放した。

「ごめん…」

私がそう言った瞬間、いきなり腕を掴まれた。

そして私はそーちゃんの前に引きずり出される。
< 193 / 417 >

この作品をシェア

pagetop