この想いを君に… −あの場所へ−
「…最近、よく思うんだ。
俺の人生、特に前半はめちゃくちゃ過ぎてその日を過ごす事がやっとだった。
真由との結婚も言わば半分事故のようなもの。
それ以降も今の祥太郎以上にプレッシャーを抱えながらお店を継いだりチーム監督もライダーもして…
あまりにも目まぐるしく生きてきてようやくホッと息をついたらこんな事に」

そーちゃんの目から、涙が落ちた。

「こんな事で死にたくない。
でも、これもまた俺の人生ならそれを受け入れるしかない。
受け入れて、自分がどうすべきか…それを考えて残り少ない時間を過ごさないと絶対に後悔するから、俺は」

今まで我慢していた感情を初めてそーちゃんは私にぶつけた気がする。

涙が次から次へと溢れるけど、そーちゃんは私をさっき引きずり出したせいでそれを拭く力が残っていないみたいだった。

私は慌ててタオルを取ってそーちゃんの顔を拭いた。
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