この想いを君に… −あの場所へ−
昼はサービスエリアで食事をした。

「しかし車の移動って案外大変だよな」

門真さんは苦笑いをしている。

体の機能が落ちてるから余計に感じるんやろな。

「夕方まで我慢してなあ」

俺が手を合わせると門真さんは

「逆にごめん、光」

と謝っていた。



行き先は…白浜。

あの辺りならあちこち寄れるし、明日の夜には大阪の…俺の家に行く。



何でこんな事をしたかって?

門真家全員が電車や飛行機で移動となると莫大な金が掛かってしまうし、むっちゃん達がせっかく貯めたお金が全て消えてしまう。

車ならガソリンや高速代くらいなら俺が出してあげられるし、むっちゃん達は宿代だけで負担が済む。

それに…

門真さんが急に体調不良を訴えても家族内だったらなんとか済むと思ったし。



何より門真さんを今のうちに両親と会わせておきたかった。



そっちの方がメインか…



結局俺の都合を門真家の旅行に合わせてもらったようなもんか…
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