この想いを君に… −あの場所へ−
「パパ!!」

睦海がタオルを持って慌てて前にやって来た。

「どうしたの?大丈夫?」

睦海はそう言って俺の顔をタオルで拭いた。



いつの間にか、涙が流れていたんだ。



「そーちゃん!」

真由も慌てて飛んでくる。

「何、何か刺激物が口に入ったの?」



いや、違う…

違うんだ。



「ちょっと、パパ?」

ますます涙が溢れてきて、周りがパニックを起こしかけていた。

「…ご、ごめん」

そう言ったものの、涙が溢れて止まらない。
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