この想いを君に… −あの場所へ−
子供が生まれてから、たまに周りが気を利かせてくれて二人だけで遊びに行ったりもしたけど。

最近二人で行動するといえば通院。

俺の介護をする時。



何の色気のカケラもない。



「そーちゃんとこんな風にゆっくりするの、本当に久々!」

真由はそう言って自分の額と俺の額をコツン、と軽くぶつけた。



…この腕さえ動けば。

真由を抱きしめる事が出来るのに。

腕を動かそうとしたけれど。

少ししか上がらなかった。
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