この想いを君に… −あの場所へ−
「真由」

俺はゆっくりと首を横に動かした。

真由もゴロン、と横になっていた。

「俺の鞄の右ファスナーを開けて」

そう、指図する。

真由は起き上がると俺の鞄を開けた。

「そこに箱、入ってない?」

真由は包装された箱を取り出す。

「これ?」

「そう」

それを俺に差し出そうとするけど、

「それは真由にあげる」



真由は目を見開いて俺を見つめた。
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