この想いを君に… −あの場所へ−
「総一さん」

光のお父さんが優しく微笑んで

「光が世界で思うように成績を出せなくて傷心で日本に帰って来た時、あなたがいたから光はもう一度、レースをしようって思ってたんですよ」

俺は一瞬、光を見つめた。

光は昔の苦い思いを思い出しているかのような表情をしている。

「だから、私は総一さんとその家族を支えたい。
何かあればいつでも言ってください」



俺は出来る限りの笑みを作って頷いた。



…本当は胸がいっぱいで泣きそうだった。
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