この想いを君に… −あの場所へ−
睦海に抱き抱えられて家に入ると

「むっちゃん、代わろう」

懐かしい声が聞こえたと思ったら逆の方向から力が掛かった。



…父さん。



俺は父さんに抱き抱えられた。

72歳の父さん。

俺を抱えるなんて、大変なはずなのに。

「はい」

家の中で使う車椅子に乗せてくれた。

そして俺を見て微笑む。
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