この想いを君に… −あの場所へ−
真由がそんな風に言うなんて思いもしなかった。

普段からどこかズレていて、子供からも時と場合によってはバカにされたり。

そんな事を微塵も感じさせないくらい、はっきりと自分の想いを伝えた。

俺が病気になった事で真由は強くなったのかもしれない。



「さあ、もうちょっとしたら夕食出来るから。
もちろん、お義父さんも食べていきますよね?」



…絶対に嫌、とは言わせない真由の言葉。

父さんは頷くしかない。

思わず下を向いて笑った。
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