この想いを君に… −あの場所へ−
「俺、今考えている事があるんだ」

祥太郎くんは力強い目を光くんと私に向けた。

「次のレース、9月にしようって思ってたけど、8月末の分にエントリーしようかと。
睦海も知樹も」

9月と10月に出て、あとはポイントをゲットしていたら最終戦に、という話だった。

「もし、8月で睦海と知樹がポイントを上位で取れるなら、10月のエントリーを止めてそのまま最終戦へ」

光くんはゆっくりと頷いた。

「…そーちゃんに。
今のうちにレースを見せておきたい。
そーちゃんの本来いる場所はサーキットだと俺は思うんだ」



祥太郎くんのその想い、私は良くわかる。



私は俯いた。
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