この想いを君に… −あの場所へ−
「…8月にキッチリと仕上げられる?」

今更、何を言うかと思えば。

あたしは頷いた。

「どんな状況でも走り抜けられる?」

「光さん、どうしたの?」

あたしは思わず聞いた。

光さんは凄く悲しそうな顔をして俯いた。

「むっちゃんの意志を確認したかった。
…総一さん、明らかに病気の進行が早いんや。
こんな事を言うのは気が引けるけど、そこまでもつかどうかわからん」



光さんは友達でお医者さんをしている人に常にパパの状態を相談していたらしい。



稀に見る進行の早さ。



あたしは肩をがっくりと落としてしまった。
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