この想いを君に… −あの場所へ−
「むっちゃん、ありがとう」

しばらくしてママがそう言うのであたしは止めた。

相当、体力を使っているのがわかる。

ママの体も痩せていた。

「むっちゃん、8月、出るんでしょ?」

顔がやつれたママが微笑む。

少し胸が痛む。

「うん、出る」

何があっても。

そこに標準を合わせる。

それがパパにとっては…

最後かもしれないし。

最悪、いないかもしれない。



でも、あたしは走る。

それしかないから。
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