この想いを君に… −あの場所へ−
「パパやママに言って手伝ってもらおうか?」

悠斗もあたしの疲れ方を見て心配する。

「いやいや!!」

あたしは顔を上げる。

「そんなに心配しないで。
トレーニングがキツイのもあるから」

ごまかす。

夜中の介護に比べたらトレーニングはまだ、マシ。

「そう、それならいいけど」

そう言うものの悠斗は心配そうな目を向けている。

「大丈夫だよ、知樹達もいるし」

そう言ってあたしは窓の外を見つめた。

相変わらず雨が降っている。

もうすぐ、夏本番なのに。

雨はそれを感じさせない。



まるであたしの家族みたい。

晴れない空はみんなの心。
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