この想いを君に… −あの場所へ−

− 祥太郎 −

「じゃあ、行ってくるよ」

「何かあったらすぐに電話して」

俺は頷いて梓の額にキスをした。

「パパ、行っちゃダメ?」

翔が首を傾げて俺の返事を待つけど

「ダメ。おじさん、本当に辛いから、少しでも助ける為に俺が夜中、起きとくんだ。
またお昼に遊びに行ってあげて」

翔は渋々ながら頷いた。





睦海や知樹達がテスト期間で毎晩、光さんがそーちゃんの介護をしている。

さすがに疲れるだろうから俺が代わる事にした。

現に店で眠い目を擦って仕事をしているのを見ているから。



…介護疲れ。

本当にあるんだなと思うと同時に誰も倒れて欲しくない、と思う。
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