この想いを君に… −あの場所へ−
そーちゃんは一体、どれくらいこの世でもがき苦しんだらいいのだろう。

生まれた時から、悲劇だった。

人生の5分の1が幸せな出来事だとしたら5分の4は不幸に違いない。

でも、辛い事があっても。

たいてい受け止めていた。

そして、それを越えてきた。

そーちゃんは不利な環境でも理想を追い続けて、コツコツしてきた。

マシンの部品も小さな町工場に頼んで理想の物を作ってもらって。

それが実を結んで。

去年は国内で2冠を取れた。

…そんな事をしたら多額のお金が掛かるけど。

取引先の町工場の社長達は

『オーバー分はスポンサー料だよ』

と言って最低限のお金だけを請求してきた。



多分、それはそーちゃんの人柄。

みんなが応援してくれたからここまで来れたのに。

常に努力しているそーちゃんが好きだから。

みんな頑張ってきたのに。



そのそーちゃんが今、命の危機に立たされているなんて。
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