この想いを君に… −あの場所へ−
「少しでも血の流れがよくなるといいね」

そう言って大きな桶に溜めたお湯の中にパパの足を浸けて洗う。



………。



むくんでる。



白い足が膨張しているように見えた。

内臓の機能が低下しているのかもしれない。



ママが少し前にそんな事を言ってたけど。

その意味がわかった。





「知樹」

頭上から声がしたので顔を上げると

「マシンはいい具合に出来てるか?」

今年は俺、至さんにメインで組んでもらってる。

パパがいれば…

パパだったんだけど。

「うん…」

俺はそう言って下を向いた。

黙ってパパの足を洗う。





…パパが良かった。

至さんの腕は最高なんだけど。

俺には!!

パパが良かったんだ…
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