この想いを君に… −あの場所へ−
「いつ見ても思うのですが仲の良いご家族ですよね」

学くんの発言に俺は微笑む。

「光がなかなか大阪に帰って来んのもわかる気がしました。
またこっちへ戻ったのも納得がいきます」



しばらく、学くんと話をした。

光の友達ってあまり知らないけど、彼だけは度々顔を合わせていたから親近感が沸く。

優しい笑顔が患者を安心させる。

医者にもってこいの人材か。



「明日…いや、今日のレース、楽しみですね」

「そうだね」



もうすぐ、夜が明ける。

東の空はうっすらと明るくなってきた。



最後の、決勝が始まる。
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