この想いを君に… −あの場所へ−

ウォームアップ走行を終えた睦海の顔を見て俺はホッとする。

一流のライダーの顔つきになってきた。

今まではどこか甘えていて頼りなかった。



頼りないチャンピオンのイメージが強かったのに。

今朝の走行を見ていても常に勝ちにこだわる走行が出来るようになった気がした。



「いい顔つきをするようになったな」

睦海に言っても一瞬『？』という顔をしたので思わず笑ってしまった。