この想いを君に… −あの場所へ−
「ほら、門真さんもええって言ってるしー。
はよしいや!!」

学さんの顔が…

光さんをおちょくりまくっている、というのを説明しているかのように。

笑っていた。

「むっちゃんはどうなん?」

更にあたしに振ってくる。



振るな、学さん!



「むっちゃんをイジメんといてくれる?」

黙り込むあたしを見て光さんが言う。

「イジメてない。
お前を動かせるんはむっちゃんだけや」

真顔で言うか…

言うなよ。

パパの隣でママが肩を震わせて笑ってる。



「じゃあ学はどうなん?」

光さんの逆襲に学さんの目は半開きになって

「俺の一生の恋人は聴診器や」

「…何はぐらかしてるん、アホ?
この前、お泊り旅行した彼女は?」

更に目を細めた学さんは

「そんな人、いません?」

「…何で疑問形やねん?」



しばらくこの二人はそんな会話を続けていた。
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