この想いを君に… −あの場所へ−
「あー、面白かった!」

食事が終わってからママは満足そうに笑ってお昼に作っていたゼリーを切り分けていた。

「真由ちゃんに俺らのノリをわかってもらえて光栄!」

学さんが満足そうに頷くと

「ウザ…」

光さんはそう言ってそのまま寝転んだ。

「ウザいのは光やわ〜。
とっとと門真さんから奪え、それがお前の役目や」

「はあ?お前さっきから何訳わからん事ばっかり言うてるねん」

光さんの疑わしげな目が学さんに向けられる。

「はよ、安心させたって、っていう話。
子供出来たら間違いなく光に全責任が掛かる。
そうすればむっちゃんは光に嫌でも渡さなあかん。
そうしたら心配事の一つは減るやん?
早く精神的に楽にさせたってーって思っただけ」

学さんはチラッとパパを見つめた。

パパは肩で息をしながら少しだけ笑って目を閉じた。

「まだお前らはええねん。
下の桜ちゃんなんかは…
この前のやり取りを見る限り、大変そうや」

パパはゆっくりと頷いた。

桜は学さんの顔をじっと見つめている。

「パパにとっては女の子は可愛いからね〜…多分」

「…子供いてへんっていうかまだ結婚もしてへんやろ、お前」

光さんが突っ込むと

「門真さんの立場になって考えたんや。
パパは何かと大変やなあって」

学さんはそう言って笑った。





こんな風に話ばっかりして。

時折パパのトイレや水分補給を手伝って、みんな朝方まで起きていた。

あたしは途中で寝たけど。
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