この想いを君に… −あの場所へ−
次のレースは…

今月末。

本来なら睦海達はそれが今年初めてのレースだった。

今の状態で…

走られるのか?



俺は絶対に走らないと示しがつかないけど。

睦海達は自分の親を亡くして、混乱している。

精神状態が不安定な中、レースに出る必要があるのか?





「そーちゃんならどうする?」





そう言って。

ものすごく後悔した。





初めて、そーちゃんがいないという事に痛いほど気がつく。



今まで、どんなに頼ってきたんだろう。

たくさん相談してたくさん話して。



いざっていう時の決断をもう仰げないなんて。



突然、一人になった気がして我慢していた涙が一挙に溢れた。

泣いたら…そーちゃんは怒り狂いそうだけど。

もう無理、もう限界!!



しばらく一人で泣いた。
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