この想いを君に… −あの場所へ−
「真由、ごめん」

座り込むママを後ろから優しく抱きしめたパパ。

膨らんでいた頬も普通に戻り、ママは嬉しそうにパパが前に回した腕を触る。

「なんだ、結局はそうなんだ」

知樹が笑う。

パパは

「気が済むまで抱きしめますよ、真由ちゃん」

普段、絶対にママの事を『ちゃん』付けで呼ばないのに…

どこか…ママを子供扱い、いやそれ以下かも。



「じゃあ、ずっと」



ママが言った瞬間、パパは離れた。
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